日本は格差が広がり悲鳴が上ってると言います
最近のニュースでもおなじみですが日本は格差社会が広がり、苦しい人達が増えてきてるといいます。
格差が「下方向」に拡大する日本の異常事態…実は「ほぼ無税」なのに苦しむ中間層(ニューズウィーク日本版)
日本の所得税はもともと中間層に優しい仕組みであり、かなりの控除が適用されている。年収400万円のサラリーマンにおける現実の所得税率は1・8%程度しかなく、事実上の無税に近い。
Yahooニュース
このニュースでも日本の現状を書き下ろしています。所得税だけではなく年金や保険も引かれるので所得税だけでは語りきれないところではありますが。ちなみに日本の過去3年間のGDPの推移を見てみると以下のようになっています。
実質GDP成長率
2018年 0.56(%)
2019年 0.27(%)
2020年 △4.83(%)
出典:Jetro
新型コロナ発生前もほぼゼロ成長に近い状態。新型コロナ発生後は大きくマイナスになりました。この数字だけを見ても日本社会全体が停滞していることが見て取れます。
思い起こせば一昔前の日本は国民全体が豊かであった時代もあります。しかし、長期間賃金は上がらず、慎ましやかに暮らし、節約したお金を貯蓄に回してきたというのが日本人の特質でもありますね。
日本人は長い間平坦な道を歩き続けている
東南アジア諸国は経済成長率が高い
日本が成長できない平坦な道を歩いてきたのに比べ東南アジア諸国は高い経済成長を維持し右肩上がりに上がって来ました。新型コロナが発生してからは成長が一気にマイナスに触れましたが、これは世界的なものなので、徐々に上向きに回復していくでしょう。
ベトナムはかなり経済が戻って来ているのがこの表からもわかります。フィリピンは新型コロナの影響で落ち込みが激しかったようですね。
日本が成長できない中、東南アジア諸国は成長している
つまり日本は東南アジア諸国に徐々に経済で差を縮められているというのが現実です。そうは言っても日本がこれまでに培ってきた経済はいまだに大きな経済力を持っています。
国民一人一人の豊かさの指標
ではどのくらいの経済的なさが日本と東南アジアにあるのかを比較してみましょう。ASEAN(東南アジア諸国)と日本の一人当たりのGDPを比較してみます。
日本の一人当たりのGDPは「40,165USD」(2020年)
一人当たりでみると人口が少ないシンガポールにはすでに抜かれていています。ブルネイも人口が44万人とかなり少ないので少し特殊ですね。この一人当たりのGDPを見ると国民一人一人の生活レベルがわかってきます。
一人当たりGDPだけで見ると日本はタイの5.5倍、インドネシアの10倍、なんとミャンマーと比べると29倍ほどの経済的な豊かさを持っているのです。
これだけ見ると….日本はまだまだ金持ちですよね
実際のところも感覚的にも日本は金持ち
統計を見て東南アジアを比較しましたが、統計だけ見ていると圧倒的に東南アジアと比べると日本は豊かです。そして成長こそないものの安定的に経済も回っていることがわかりました。
すでに日本は技術的にも経済的にも中国に追い抜かれ、苦渋を飲んでいますが、東南アジア諸国の人々からすると、そんな現状はさておき感覚的に日本人は金持ちという意識が浸透しています。
そして感覚だけではなく実際も東南アジアの人たちからすると平均してお金持ちというのが東南アジアの人のイメージです。格差で苦しむ日本人からすると、何を言ってくれているんだ。全然金持ちじゃないし!と思うでしょう。
実はこの感覚のギャップは近年東南アジアにいる日本人をじわじわと苦しめています。正直20年前は違いました。一般の普通の日本人でも東南アジアに行くとその格差がゆえに王様のように振る舞えたのです。王様というとなんだか悪く聞こえますが、実際にそうだった現実があります。
一昔前の現地駐在役員
私が知っている話だけでも大手企業の駐在の役員クラスの人たちは月額100万円以上の豪邸に家族一緒に住みメイドさん付き、高級車で移動。さらに日本でも現地でもかなりの給料がもらえる…。今でもそんな企業もあると思いますが、昔に比べると、メイドさんもいなくなったり、高級車ではなく実用的な車になったりと、レベルが落ち無駄を省いていると感じます。
そんな日本人の金持ちイメージは今でも残っていて、何かと現地の人たちから投資してほしい、助けてほしいと期待を込めて話を持ちかけられます。
でも当の本人からすると、そんなお金ないし…。と少し虚しい懐事情に寂しさを覚える人も少なくないはずです。実は東南アジアの人からしたら日本人はお金があるんですが、日本人からすると全然お金がないと思っています。
東南アジアと日本人のお金に対する感覚の違い
このお金に関する感覚の違いは非常に面白いです。そしてたとえ日本人はお金を持っていても、あまり表に出さないという性質を持っています。中にはギラギラとしている人もいますが、大概は持っているお金を隠しているように感じます。
このお金を隠し込んでるという日本人のイメージもまた東南アジアの人たちに、期待感を持たせるのかもしれません。このような日本人の性質を深く掘り下げてみたりすると、世界的にみてもちょっと特殊な国民性を日本人は持っているなと思うのです。
そう、よく言われすよね…
ガラパゴスジャパン
日本人は日本人がスタンダードな人々であると普通に考えていますが、世界から見ると日本人はとても特殊な国民性を持ち、謎めいて見えるのかもしれません。お金を隠し持ってたり、やけに謙虚だったり。なぜあるものをないというのか。非常に不思議な生き物です。
日本人は日本人らしくいればいいと思う
経済格差の話やお金の感覚の話をして来ましたが、東南アジアの人たちが日本人をお金持ちとイメージしようが、お金を隠し持ってるんじゃないかと思おうが、あまり気にしなければいいだけの話です。
期待されてない袖を振ることは失敗につながります。日本人の感覚で物事を判断し、自分に対してはその感覚で実行し続ければ良いだけの話なのです。変に金持ちと思われて、それに流されたり、誘惑されたりすると、日本人の感覚が壊れ、判断がうまくコントロールできなくなりがちです。
現にタイなどにはたくさんの日本人が入り込んでいますが金銭感覚で人生を壊した人もいますし、ちょっと惨めな最後を迎えたなんていう話も聞きます。
東南アジアに行くことによって道を踏み外すのはお金が原因になることが多いので、そこは「日本人は日本人らしく」過ごしていくことで踏み外しを回避することもできるでしょう。
東南アジアに長年住むとだんだんと現地化していきます。現地化すれば、日本人の感覚を持ちながら、東南アジアの人たちの感覚も自然と身につき、金銭的なトラブルも起こりにくくなるのではと思っています。
最後になりますが、日本人はお金持ちだと思われていることに対しては、きっと誰もが優越感に近い気持ちを持ちます。実際はお金がなくても、日本人というブランドだけでそう思われるのですから、それを密かにありがたく感じ、日本人らしい礼儀で接することが最もクールなのではないかと思うのです。
もうこんな風に思ってもらえるのもあと残り何年でしょうか。もうすでにそのイメージも薄れつつあるのかもしれませんね。
今日も読んでいただきありがとうございました。
東南アジアより、えむさんでした。
またお会いしましょう: )