South East Asia

[第三話]ミャンマーに空前の日本語ブーム到来。突然のクーデターに直面した瞬間。

[第三話]ミャンマーに空前の日本語ブーム到来。突然のクーデターに直面した瞬間。

[第二話]はこちら

この話は2021年にミャンマーで起こったクーデターを描くストーリー。第二話に続き私がミャンマーに来てからのこと、私が学んだこと。そしてミャンマーで始めた仕事。

ミャンマーに空前の日本語ブーム到来

私がミャンマーに初めて入った頃、若いミャンマー人達は「日本で働く」「日本に留学する」などの目的で日本語を学ぶ若者がどんどん増えていました。

また、ミャンマーにも日本からの企業進出が相次ぎ、外資系である日系企業に就職したいという若者も多く現れました。

それに合わせて多くの日本語学校がものすごい勢いで姿を現してきたのです。

空前の日本語ブーム到来

無料で学べる日本語寺子屋

ミャンマー人からみた日本のイメージ

ミャンマーにおいて日本という国のイメージは他国と比べて良く、「親切」「優しい」「お金持ち」と言うイメージでよく思われていましたが、貧しいミャンマーの人たちからすると日本人に対して重たい期待もありました。

日本人に頼めば何か助けてくれるかもしれない。投資してくれるかもしれない。逆に日本人は慎重かつ冷静に判断する人が多いために、簡単にお金を投資したりはしません。

それと比べて中国人はすぐにお金を出す。と言うイメージもありました。しかし、すぐにお金を出すけど、損得勘定だけで判断し、親切、優しいと言うイメージではありません。

本当は日本人と仕事をしたいけど判断が遅いから、仕方なく中国人と仕事をすることにした。なんて話はよく聞きます。

このような日本人のことを「NATO」と呼びます。

NATO とは No Action, Talk Only の略

ミャンマーからだけではなく東南アジアでは日本のイメージはNATOだと思われていることを認識してほしいと思いました。

話だけ大きくて、何も動かない。そう思われていることに日本人としては悲しくもあり、恥ずかしくも感じています。

「もっとアクションを起こさなきゃ」

私も痛感しました。

ミャンマー人の多くの若者たちが
日本に働きに行くということ

日本語学校がどんどん誕生する状況の中、私はベテラン日本人が開校していた日本語学校の仕組みを学び、人材育成と日本へ人材を派遣する事業も学びました。

どんどん日本語学校に入学してくるミャンマーの若者達。みんな日本に働きに行くことを目標に日本語を勉強しにきます。

なぜならタイに働きにいっても三万円ほどの稼ぎにしかならないですが、日本に行くと…. 

ミャンマーで働いて稼げる額の10倍ほどを稼ぐことができるからです。もし日本人がどこかの外国に働きに行くと給料が月給200万もらえる国があったとしたら、皆さんはどうでしょうか。

多くの日本人は働きに行くでしょう。私も働きに行くかもしれません。

一方韓国への出稼ぎも加熱していました。ミャンマー人材の争奪戦の様相です。

韓国に出国するミャンマーの若者

日本の人材不足は加速している

給料の格差で多くの若者達が日本を目指す中、日本にも外国人を受け入れたいという流れが来ていました。受け入れ側の要望です。

日本の少子高齢化による労働人口の減少が労働力不足を招き、日本国内で労働力の確保が難しくなってきていたからです。

主に一次産業二次産業です。農業や漁業、そして建設業、製造業は大変な重労働のために、日本人のなり手が集まらず、外国人の人材に頼り始めます。

またコンビニやスーパーなどでも、最近は外国人が働いてるのを皆さんも当たり前に目にしていると思います。彼らの多くは外国人留学生です。

東南アジアの国々からすると日本の給料は魅力的であり、母国で五年十年働いて稼ぐ金額が一年の労働で稼げてしまうからです。

国際間経済格差を目の当たりにして

ミャンマーに来てからこんなにも経済格差があるのかと痛感させられました。そして、私はベテラン日本人の元、約二年ほど一緒に仕事をしてきましたが、方針の違いもあり、自らミャンマー事業を行うことを決意します。

まず手がけたのが日本語学校の設立です。

事業者開始した当初の日本語学校

2015年に設立した日本語学校は最初こそ、生徒は少なかったものの、あっという間に学生が集まり、日本で働くことの需要の高さを改めて感じました。

「貧しいミャンマーの若者に日本で働くチャンスをたくさん準備し送り出し、少しでも豊かな暮らしを応援したい」「日本の人材不足で悩む企業にとっても必ず助かるはず」

そんな想いで始めた日本語学校はありがたいことに多くの学生が入学して、コロナの発生前までに1500人ほどの若者に日本語を教えてきました。

スタッフや先生も増え、教室も新たに8つほど増設。ものすごいにぎわいでした。

新たに増設した日本語教室

若者たちが頑張って勉強し、日本語を習得したうえで、日本で働く。そして日本で稼ぐことができる。日本の企業も人材難の中助かる。

社会貢献にもなるし、これが仕事にもなる。

ミャンマーは民主化の波でどんどんにぎわい、建設も物凄いラッシュです。高層ビルができ、大きなショッピングモールが次々と計画され建設されていく。ミャンマーはどんどんと盛り上がって行ってました。

しかし、いいことばかりではありません。この社会貢献の事業の裏に多くの問題も潜んでいたのです。

次回は
[第四話]東南アジアを巻き込む日本の大問題。

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