北朝鮮レストラン?
みなさんこんにちは!ミャンマーの最大都市ヤンゴンから記事をお届けしております。えむさんです。今日は北朝鮮レストランについて書きますが、ベトナムやカンボジアとかにもあるんです。北朝鮮の政府が運営している国営店と言えば良いでしょうか。
喜び組という名前を聞いたことがある方もいると思いますが、北朝鮮の選ばれし才色兼備の女性が各国支店に派遣されていて、レストランに行くとウェイトレスとしても、パフォーマーとしても活躍しているマルチプレイヤーの喜び組。
これはミャンマーにもあるのでいかなきゃ損ですよね。早速潜入してみたいとおもうのですが、実はこの北朝鮮レストランはすでに閉鎖してしまっています。
国連安全保障理事会により閉鎖命令
三年ほど前ですが、ミャンマーに出店していた北朝鮮レストランは閉鎖を命じられます。
北朝鮮への経済制裁を発動した米国からの国連への要請によるものです。
この北朝鮮レストランは貧しい北朝鮮国内の経済事情もあり海外に外貨を稼ぐために出店をし、本国へ送金していた。そのため、資金源を絶つために米国が介入したと言うことなのです。
閉鎖された現在、まだ建物は残っており、今のところ何かに使われている気配は感じないために、そのままになっていると思われます。
ミャンマーの北朝鮮レストラン
今回はそんなミャンマーにも出張してきていた北朝鮮レストランに潜入したレポートと題して記事をお伝えしていきます。潜入したのは閉鎖前、営業していた当時のレポートになります。
まずこの北朝鮮レストランで食事をするためには予約しなければいけません。もちろん誰でも予約はできるので、VIPじゃなければいけない。などということはないのですが、予約制になっています。
私も日本から来客があったときにリクエストにこたえてこの北朝鮮レストランに日本人達を連れて行くことがしばしばありました。
さて、早速潜入してみましょう!
店内にはいると北朝鮮の
民族衣装でお出迎え
まずは北朝鮮レストランに車で駐車場にとめます。
建物自体は豪華な建物なんかではなく、どちらかというと古びた質素な建物です。
ミャンマーには多くの中華系の建物がありますが、その派手な立ち振る舞いとはまったく逆のシンプルな雰囲気。実際問題多くのお金をつぎ込み豪華にする資金はないのかもしれません。
ガラスの入り口の観音扉のドアには左右にチマチョゴリを着た若い女性がおり、扉を開いてお出迎えしてくれました。
予約席につく
名前を告げ、早速席に案内されます。この女性たちはまだ20代くらいの若い女性でみんなにこやかな表情でとても気さくです。
こちらが日本人だとわかるとなんと「こんにちは」「どうぞ~」と日本語で話しかけてくるではないですか!?喜び組と呼ばれる女性たちはかなり教育を受けているようで、朝鮮語はもちろん、中国語、日本語、英語などを最低限でも話せるようです。
もちろんはなせない人もいましたが。
料理は北朝鮮料理
メニューが渡され、お酒を選ぶようにおすすめしてきます。メニューを見ると韓国料理とほぼ変わらない馴染みのある料理が並んでいます。
人数分で少し余るくらいの量の料理とビールを注文し料理を待ちます。座った席の前には舞台がありドラムやシンセサイザーなどの楽器がおいてありました。
何かここで音楽でもきっとやるんだな…
しばらくすると料理も到着し、ビールを飲み始めた頃、舞台に女性たちが出てきて、踊り始めました。
店内は照明が落とされ、決して大きくない舞台では音楽に合わせて女性たちが気さくにおどります。
語学もできるし、楽器もできる、そして踊れるとはなかなかの才能です。しかもミャンマーと言う外国に来てほとんど外出もせずにこの施設の中でほとんどの時間を過ごしているというのを聞き、北朝鮮の独裁政権の管理体制はかなり厳しいということを思い知らされました。
そして、ミャンマーの民族衣装であるロンジーを身につけ、ミャンマーの伝統的な踊りも披露してくれました。
ミャンマー語で歌も歌います。
きっと練習を積んだのでしょう。上手に踊っていました。
料理を運んだりお酒を注いでくれたりするウェイトレスの女性たちも皆、喜び組であるといいます。
さっきまで料理を運んだりしていたかと思えば、着替えて舞台に上がり、ダンスを踊ったりするのです。
まさに才色兼備のマルチプレイヤー!全部の仕事をこなせるように教育されているようですね。
おそらくここで働いている喜び組の中でも格付けがあるようです。北朝鮮レストランショーも佳境を迎えてきました。
なんと日本の歌まで披露してくれました。もちろん日本語で。美空ひばりさん「川の流れのように」です。
ショーをしている最中にお客さん達から花束が北朝鮮の女性たちに贈られます。1000円ほどを払うと一つ花が贈れるシステムになっています。いい踊りをありがとう、いい歌をありがとう。という感謝の花束です。
花を贈ると後で女性が席までやってきてお礼をいいにきます。ライブショーといったところでしょうか。
宴もたけなわに
二時間ほどのショーで楽しませてもらい、食事も日本人の口にあう、美味しさ。六人ほどで飲み食いしたお会計はだいたい四万円ほど。
ミャンマーの国においては安くはないですがこんだけのショーがみれて食事もできて皆さんは満足していたようです。
北朝鮮の特別な松茸酒もいただきました。松茸の香りがついたお酒でなかなか珍しいものです。
さらにカラオケもある
さあ、そろそろ帰ろうかといとうきに、給仕をしてくれていた北朝鮮の女性がカラオケが二階にあるから歌って行きませんか?と言います。
興味を示した日本人の来客たちはちょっとどんなもんか覗いてみたいと、部屋まで行ってみました。
そこそこ広目の貸し切り部屋に大きな円卓があり、食事もできるような作りの部屋にカラオケが設置してあります。
日本の歌は少ないですが、少しだけありました。
その時は、みんなお腹いっぱい、程よくお酒も入り、そろそろ休みましょう。というモードだったのでカラオケは歌わず、部屋を見学しただけで帰りました。
もし歌っていったら、北朝鮮の喜び組の女性たちと一緒に飲みながら歌うという展開になっていたでしょう。なかなか人生生きてるうちに体験することができない不思議な体験でしたが、よくよく考えてみると….
ここで飲み食いしたお金は北朝鮮に送金され金正恩独裁政権の資金源になっている….
なんとも考えさせられる話です。
もちろん、それを望んで食べに行っているわけではないのですが、そこで働く喜び組の女性たち、そして本国で送り出した娘を待つ家族も、出張で頑張って稼ぐ彼女たちが支えているのです。
こんな複雑な思いもありますが、皆満足して帰路に就いたのでした。
今日も読んでいただきありがとうございました。
東南アジアより、えむさんでした。
またお会いしましょう: )